金中:“三四三四三”式和歌之汉译
は
じ
め
に
和
歌
の
�譯
を
め
ぐ
っ
て
、
こ
こ
三
十
年
來
、
日
中
の
學
�に
よ
り
理
論
面
お
よ
び
實
踐
面
か
ら
の
檢
討
が
幅
廣
く
な
さ
れ
、
そ
れ
ぞ
れ
の
譯
出
案
が
提
唱
さ
れ
て
き
た
。
本
稿
は
、
こ
れ
ま
で
の
和
歌
の
�譯
に
つ
い
て
總
括
し
た
上
で
、
�字
の
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
譯
出
法
を
新
た
に
提
示
し
、
ま
た
、
こ
の
方
法
...
は
じ
め
に
和
歌
の
�譯
を
め
ぐ
っ
て
、
こ
こ
三
十
年
來
、
日
中
の
學
�に
よ
り
理
論
面
お
よ
び
實
踐
面
か
ら
の
檢
討
が
幅
廣
く
な
さ
れ
、
そ
れ
ぞ
れ
の
譯
出
案
が
提
唱
さ
れ
て
き
た
。
本
稿
は
、
こ
れ
ま
で
の
和
歌
の
�譯
に
つ
い
て
總
括
し
た
上
で
、
�字
の
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
譯
出
法
を
新
た
に
提
示
し
、
ま
た
、
こ
の
方
法
を
用
い
て
和
歌
の
作
品
に
對
す
る
�體
�な
試
譯
を
行
い
た
い
。
一
先
行
す
る
和
歌
の
�譯
に
つ
い
て
の
�
�
和
歌
の
�譯
に
つ
い
て
は
、
ま
ず
非
定
型
譯
と
定
型
譯
の
二
種
�の
基
本
�な
�點
が
あ
る
。
李
芒
氏
は
非
定
型
の
譯
出
法
を
�張
し
、
和
歌
の
�體
�な
容
に
應
じ
て
、
四
言
、
五
言
、
七
言
お
よ
び
長
短
の
句
な
ど
、
樣
々
な
形
に
よ
っ
て
柔
軟
に
譯
し
て
い
る
(
1
)。
あ
ま
の
原
ふ
り
さ
け
見
れ
ば
春
日
な
る
三
笠
の
山
に
い
で
し
�か
も (
2
)
(
古
今
集
・
羇
�・
406・
阿
倍
仲
呂
)
仰
首
�長
天
、
疑
是
昔
時
�、
昇
自
奈
良
三
笠
山
。
李
芒
譯
(
3
)
和
歌
は
定
型
の
「
五
七
五
七
七
」
�に
よ
っ
て
表
現
さ
れ
る
も
の
で
あ
る
以
上
、
そ
の
形
式
美
を
現
す
た
め
に
は
、
�譯
は
や
は
り
あ
る
定
型
の
形
が
�ま
し
い
。
定
型
譯
と
し
て
は
、
�に
�の
よ
う
な
形
式
が
あ
る
。
(
一
)
和
歌
型
和
歌
の
原
文
と
の
「
形
の
相
似
」
を
保
つ
た
め
、
羅
興
典
氏
は
「
五
七
五
七
七
」
の
形
式
に
よ
る
譯
を
提
唱
し
て
い
る
(
4
)。
君
が
行
き
日
長
く
な
り
ぬ
山
�ね
�へ
か
行
か
む
待
ち
に
か
待
た
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
�譯
金
中
む
(
�
�集
・
卷
二
・
85・
磐
�皇
后
)
國
君
在
�中
、
冉
冉
多
日
不
回
宮
;
賎
妾
�君
歸
、
欲
訪
�山
去
�君
;
待
到
何
時
見
駕
臨
。
羅
興
典
譯
(
5
)
し
か
し
、
和
歌
の
「
五
七
五
七
七
」
は
日
本
語
の
假
名
を
指
し
て
お
り
、
そ
れ
を
�字
に
表
記
す
る
と
、
か
な
り
短
く
な
る
。
�字
の
「
五
七
五
七
七
」
で
は
、
�容
に
和
歌
の
表
現
よ
り
遙
か
に
多
く
な
り
、
ま
た
、
リ
ズ
ム
の
面
に
お
い
て
も
和
歌
と
は
一
�し
な
い
(
6
)。
沈
策
氏
は
、
古
典
中
國
語
に
よ
る
「
五
七
五
七
七
」
形
式
の
缺
點
を
考
慮
し
、
口
語
の
「
五
七
五
七
七
」
形
式
に
よ
っ
て
�譯
す
る
こ
と
を
提
唱
し
た
(
7
)。
わ
た
つ
み
の
豐
旗
雲
に
入
日
さ
し
今
夜
の
�夜
さ
や
け
か
り
こ
そ
(
�
�集
・
卷
一
・
15・
天
智
天
皇
)
汪
洋
大
�上
、
旗
幟
般
�雲
中
、
�射
�夕
陽
;
看
來
今
天
�夜
、
一
定
分
外
地
�凉
。
沈
策
譯
(
8
)
こ
の
譯
出
法
の
特
�は
、
餘
分
な
語
句
を
�や
さ
ぬ
よ
う
に
す
る
た
め
、
口
語
を
柔
軟
に
使
用
し
て
お
り
、
こ
れ
は
和
歌
の
�容
を
單
純
に
表
現
す
る
に
は
比
較
よ
い
方
法
で
あ
る
と
言
え
よ
う
。
し
か
し
、
文
體
・
語
感
・
氣
品
な
ど
の
點
に
お
い
て
は
、
中
國
語
の
口
語
と
日
本
語
の
文
語
と
で
は
天
地
の
差
が
あ
り
、
こ
れ
で
は
和
歌
固
有
の
格
�を
傳
え
る
の
は
�し
い
(
9
)。
(
二
)
傳
統
詩
句
型
1
.
七
言
四
句
型
こ
の
譯
出
法
は
早
い
時
期
の
和
歌
の
�譯
に
見
ら
れ
る
。
紫
の
に
ほ
へ
る
妹
を
�く
あ
ら
ば
人
妻
ゆ
ゑ
に
我
戀
ひ
め
や
も
(
�
�集
・
卷
一
・
21・
天
武
天
皇
)
戀
妹
一
片
紫
�香
、
憐
我
深
愛
入
衷
腸
。
無
端
已
爲
他
人
�、
相
思
�恨
共
天
長
。
樓
�夷
譯
(
�)
2
.
五
言
四
句
型
錢
稻
孫
譯
『
�
�集
!
(
")』
、
楊
烈
氏
譯
『
古
今
和
歌
集
(
#)』
は
$に
こ
の
方
法
を
%用
し
て
い
る
。
例
え
ば
、
楊
烈
氏
は
&
'し
た
阿
倍
仲
(呂
の
歌
を
)の
よ
う
に
譯
し
て
い
る
。
*天
翹
首
+、
春
日
故
,
-。
三
笠
山
頭
�、
今
.
�外
明
。
楊
烈
譯
(
/)
こ
の
ほ
か
に
、
多
樣
な
形
式
に
よ
る
和
歌
の
�譯
を
$張
す
る
李
茫
氏
が
、
そ
の
實
踐
に
お
い
て
、
最
も
多
用
し
て
い
る
の
が
こ
の
形
式
で
あ
る
。
例
え
ば
、
同
じ
阿
倍
仲
(呂
の
歌
を
)の
よ
う
に
も
譯
し
て
い
る
。
長
天
翹
首
+、
�里
一
嬋
娟
。
昔
日
應
相
識
、
初
昇
三
笠
山
。
李
芒
譯
(
0)
3
.
四
言
四
句
型
中
國
詩
文
論
叢
第
二
十
八
集
170
錢
稻
孫
譯
『
�
�集
�
�』
で
は
、
こ
の
形
式
も
�用
さ
れ
て
い
る
。
君
待
つ
と
我
が
戀
ひ
を
れ
ば
我
が
や
ど
の
簾
動
か
し
秋
の
風
吹
く
(
�
�集
・
卷
四
・
488・
額
田
王
)
方
我
俟
君
、
我
思
漸
漸
;
秋
風
吹
來
、
動
我
�簾
。
錢
稻
孫
譯
(
�)
4
.
七
言
二
句
型
豐
子
譯
『
源
氏
物
語
(
)』
に
見
ら
れ
る
和
歌
の
�譯
が
代
表
例
で
あ
る
。空
蝉
の
身
を
か
へ
て
け
る
木
の
も
と
に
な
ほ
人
が
ら
の
な
つ
か
し
き
か
な
(
空
蝉
)
蝉
衣
一
襲
餘
香
在
、
睹
物
懷
人
亦
可
憐
。
豐
子
譯
(
�)
こ
れ
ら
の
譯
は
�句
や
詩
聯
と
い
っ
た
中
國
の
傳
統
詩
の
表
現
形
式
を
用
い
て
お
り
、
中
國
の
讀
�に
受
け
入
れ
ら
れ
や
す
い
と
い
う
長
�が
あ
る
。
し
か
し
一
方
、
短
�も
あ
り
、
完
�に
純
粹
な
中
國
詩
に
�譯
し
て
し
ま
っ
て
は
、
和
歌
固
有
の
特
色
は
現
れ
て
こ
な
く
な
る
。
�容
�に
は
、
七
言
四
句
型
で
は
明
ら
か
に
長
�ぎ
る
し
、
五
言
四
句
型
も
比
較
�長
い
印
象
を
受
け
る
。
そ
も
そ
も
こ
う
し
た
長
い
字
數
に
合
わ
せ
る
た
め
に
は
言
�を
�や
さ
ね
ば
な
ら
ず
、
そ
れ
で
は
和
歌
の
含
�が
損
な
わ
れ
て
し
ま
う
の
で
あ
る
。
こ
れ
に
反
し
て
、
七
言
二
句
型
で
は
や
や
短
く
、
和
歌
の
原
意
を
十
分
に
傳
え
切
れ
な
い
�れ
が
あ
る
。
こ
れ
ら
に
比
べ
、
四
言
四
句
型
は
一
首
の
和
歌
と
比
較
�對
應
す
る
が
、
こ
の
形
式
は
�に
『
詩
經
』
に
見
ら
れ
、
格
�が
古
色
�然
�
ぎ
て
、
ま
た
、
リ
ズ
ム
も
單
�で
あ
る
た
め
、
和
歌
と
の
�た
り
は
甚
だ
�い
。
(
三
)
減
字
型
1
.「
三
五
三
五
五
」
型
丘
仕
俊
氏
は
、
餘
分
な
�容
を
�や
さ
ぬ
よ
う
に
考
慮
し
た
結
果
、
和
歌
の
五
句
�
�の
基
本
を
保
ち
な
が
ら
、
�句
の
字
數
を
二
字
減
ら
す
こ
と
に
し
た
、
ち
「
三
五
三
五
五
」
形
式
の
譯
出
法
を
提
示
し
た
(
!)。
"江
の
#夕
波
千
鳥
汝
が
鳴
け
ば
心
も
し
の
に
古
思
ほ
ゆ
(
�
�集
・
卷
三
・
266・
柿
本
人
$
%)
淡
#渺
、
夕
浪
映
千
鳥
。
聞
鳥
啼
、
吾
心
無
限
愁
。
懷
古
思
悠
悠
。
丘
仕
俊
譯
(
&)
2
.「
三
四
三
四
四
」
型
こ
の
譯
出
法
は
和
歌
の
リ
ズ
ム
と
の
對
應
を
重
'し
た
も
の
で
あ
る
。
高
橋
史
雄
氏
は
、
和
歌
の
二
(一
拍
と
い
っ
た
傳
統
�な
)點
か
ら
、
七
五
�の
和
歌
を
「
三
七
七
」
あ
る
い
は
「
三
七
八
」
の
形
式
に
、
五
七
�の
和
歌
を
「
三
四
三
四
四
」
の
形
式
に
�譯
す
る
の
が
ふ
さ
わ
し
い
と
*べ
た
(
+)。
松
浦
友
久
氏
は
、
和
歌
が
四
(一
拍
で
あ
り
、
�句
が
二
拍
で
あ
る
こ
と
を
指
摘
し
て
(
,)、
和
歌
の
譯
を
「
三
四
三
四
四
」
の
形
式
に
統
一
し
た
(
-)。
例
え
ば
、
阿
倍
仲
$呂
の
歌
を
.の
よ
う
に
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
漢
訳
(
金
)
171
譯
し
て
い
る
。
天
�茫
仰
首
遙
�
奈
良
邊
三
笠
山
頭
�時
明
�
松
浦
友
久
譯
(
�)
(
四
)
そ
の
他
林
文
�氏
譯
『
源
氏
物
語
(
�)』
で
は
和
歌
の
�譯
に
�字
の
「
七
七
八
」
形
式
が
用
い
ら
れ
て
い
る
。
そ
の
う
ち
第
一
句
の
四
字
目
、
第
三
句
の
五
字
目
に
は
す
べ
て
「
兮
」
の
字
が
充
て
ら
れ
て
い
る
。
例
え
ば
、
の
空
蝉
帖
の
歌
を
�の
よ
う
に
譯
し
て
い
る
。
空
蝉
蛻
兮
去
無
影
、
徒
�殘
殼
枝
椏
、
�踪
何
處
兮
�思
騁
。
林
文
�譯
(
�)
二
、「
三
四
三
四
三
」
に
よ
る
譯
出
法
の
理
論
こ
こ
ま
で
見
て
き
た
�な
譯
出
法
の
う
ち
、
ど
ち
ら
か
と
言
え
ば
、
「
三
五
三
五
五
」
型
と
「
三
四
三
四
四
」
型
は
、
和
歌
固
有
の
特
色
を
傳
え
よ
う
と
す
る
こ
と
に
重
心
を
置
い
て
い
る
も
の
で
あ
る
。
�に
、
こ
の
二
種
�の
譯
出
法
の
優
劣
に
つ
い
て
、
更
に
分
析
を
加
え
た
い
。
「
三
五
三
五
五
」
型
の
譯
出
法
の
長
�は
、
中
國
古
典
の
詩
や
詞
に
よ
く
見
ら
れ
る
五
言
句
を
多
く
用
い
て
お
り
、
讀
み
や
す
く
、
讀
�に
受
け
入
れ
ら
れ
や
す
い
こ
と
で
あ
る
。
一
方
、
そ
の
缺
點
は
、
ま
ず
譯
文
が
合
計
二
十
一
字
で
依
然
と
し
て
長
く
、
そ
の
た
め
、
和
歌
の
原
文
に
は
な
い
言
�を
加
え
ざ
る
を
得
な
い
こ
と
で
あ
る
。
例
え
ば
、
丘
仕
俊
氏
の
譯
し
た
、
春
�ぎ
て
�來
た
る
ら
し
白
た
へ
の
衣
干
し
た
り
天
の
香
�山
(
�
�集
・
卷
一
・
28・
持
統
天
皇
)
春
已
盡
、
似
覺
�日
炎
。
如
白
雲
、
家
家
晒
衣
衫
。
天
�香
�山
(
�)。
に
見
え
る
「
炎
」
「
家
家
」
と
い
っ
た
語
は
、
和
歌
の
原
意
に
は
な
い
も
の
で
あ
る
。
更
に
、
「
三
五
三
五
五
」
が
和
歌
の
リ
ズ
ム
と
對
應
し
な
い
と
い
う
問
題
點
が
あ
る
。
�知
の
よ
う
に
、
中
國
の
文
語
詩
は
二
字
一
拍
で
あ
る
た
め
、
三
言
、
五
言
は
そ
れ
ぞ
れ
二
拍
、
三
拍
と
な
り
、
い
ず
れ
も
そ
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
る
。
し
た
丘
仕
俊
氏
が
譯
し
た
柿
本
人
�呂
の
歌
の
リ
ズ
ム
�
は
�の
と
お
り
で
あ
る
。
(
淡
!)(
渺
×
)、(
夕
浪
)(
映
千
)(
鳥
×
)。(
聞
鳥
)(
啼
×
)、
(
吾
心
)(
無
限
)(
愁
×
)。(
懷
古
)(
思
悠
)(
悠
×
)
(
")。
こ
れ
に
對
し
て
、
和
歌
の
原
作
の
リ
ズ
ム
�
は
四
�一
拍
#に
從
え
ば
、
�の
よ
う
に
な
る
。
(
あ
ふ
み
の
)(
う
み
×
×
)
(
ゆ
ふ
な
み
)(
ち
ど
り
×
)(
な
が
な
け
)(
ば
×
×
×
)
(
こ
こ
ろ
も
)(
し
の
に
×
)(
い
に
し
へ
)(
お
も
ほ
ゆ
)
こ
の
よ
う
に
、
�譯
に
お
け
る
三
つ
の
五
言
句
は
、
い
ず
れ
も
そ
れ
中
國
詩
文
論
叢
第
二
十
八
集
172
に
相
當
す
る
和
歌
の
七
�句
よ
り
一
拍
分
多
く
な
っ
て
し
ま
う
。
本
來
「
心
も
し
の
に
古
思
ほ
ゆ
」
の
�に
は
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�
が
一
つ
あ
る
だ
け
で
、
詠
ん
で
み
れ
ば
一
氣
呵
�で
あ
り
、
格
�は
重
厚
で
あ
る
。
こ
れ
に
對
し
て
、
そ
の
�譯
で
あ
る
「
吾
心
無
限
愁
。
懷
古
思
悠
悠
」
は
、
�切
り
の
あ
る
一
組
の
押
韻
句
で
あ
る
た
め
、
格
�
が
輕
快
流
暢
に
な
っ
て
し
ま
い
、
原
作
と
は
一
�し
て
い
な
い
。
「
三
四
三
四
四
」
型
の
譯
出
法
の
長
は
、
容
が
一
首
の
和
歌
に
お
お
よ
そ
相
當
し
、
リ
ズ
ム
も
和
歌
に
比
較
�
�く
、
組
み
合
わ
せ
る
こ
と
に
よ
っ
て
、「
五
七
�」「
七
五
�」
と
い
っ
た
句
切
れ
に
柔
軟
に
對
應
で
き
る
こ
と
で
あ
る
(
)。
一
方
、
そ
の
缺
點
は
�に
�の
點
に
あ
る
。
つ
ま
り
、
和
歌
の
七
�の
末
句
に
は
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
る
が
、
そ
れ
に
相
當
す
る
�譯
の
四
言
の
末
句
に
は
休
�が
含
ま
れ
な
い
。
同
じ
く
二
拍
で
あ
っ
て
も
、
詠
ん
で
み
る
と
い
さ
さ
か
硬
く
、
和
歌
の
末
句
の
活
き
活
き
と
し
た
と
こ
ろ
に
は
�ば
な
い
(
�)。
こ
の
ほ
か
、
七
五
�の
和
歌
に
對
し
て
、
�譯
の
結
び
の
「
四
四
」
の
二
句
が
組
み
合
わ
さ
る
と
、
そ
の
ま
ま
一
つ
の
八
言
句
を
形
�す
る
こ
と
に
な
り
、
こ
の
形
式
は
中
國
詩
に
お
け
る
表
現
の
傳
統
性
に
乏
し
く
、
流
暢
に
詠
め
な
い
こ
と
も
指
摘
で
き
よ
う
。
以
上
に
�げ
た
樣
々
な
譯
出
法
は
、
中
國
の
傳
統
�な
詩
句
の
使
用
に
重
き
を
置
い
た
ば
か
り
に
、
結
果
�に
、
和
歌
固
有
の
特
色
が
十
分
に
反
映
さ
れ
て
い
な
い
も
の
か
、
そ
れ
と
は
�に
、
和
歌
の
リ
ズ
ム
を
表
現
す
る
こ
と
に
�意
す
る
あ
ま
り
、
そ
の
結
果
、
中
國
古
典
詩
の
傳
統
と
乖
離
し
た
も
の
か
、
ど
ち
ら
か
に
�っ
て
い
る
。
そ
れ
で
は
、
こ
の
二
�か
ら
長
を
�ね
備
え
た
、
中
國
傳
統
の
詩
句
を
用
い
て
和
歌
固
有
の
特
色
を
再
現
す
る
こ
と
は
可
能
で
あ
ろ
う
か
。
そ
れ
は
可
能
で
あ
る
。
そ
の
方
法
と
は
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
譯
出
法
で
あ
る
。
こ
れ
は
「
三
四
三
四
四
」
の
譯
出
法
が
�
�し
た
も
の
で
あ
り
、
つ
ま
り
、
そ
の
末
尾
の
一
字
を
�っ
た
も
の
で
あ
る
。
こ
の
一
字
の
修
正
を
輕
�し
て
は
な
ら
な
い
。
�譯
の
總
合
�な
效
果
を
高
め
る
こ
と
に
お
い
て
、
そ
れ
は
重
大
な
意
味
を
有
し
て
い
る
。
ま
ず
、
容
の
上
で
は
、
和
歌
に
更
に
接
�す
る
よ
う
に
な
る
。
�
�し
た
よ
う
に
、
和
歌
の
�譯
と
し
て
、
�字
「
五
七
五
七
七
」
型
の
三
十
一
字
、
七
言
�句
型
の
二
十
八
字
は
い
ず
れ
も
明
ら
か
に
冗
長
で
あ
る
。
「
三
五
三
五
五
」
型
の
二
十
一
字
、
五
言
�句
型
の
二
十
字
も
や
は
り
長
い
感
じ
が
す
る
。
そ
れ
で
は
、
一
首
の
和
歌
の
容
は
、
一
體
ど
れ
の
�字
量
に
相
當
す
る
の
で
あ
ろ
う
か
。
古
典
�語
は
單
�
!語
で
あ
り
、
一
字
一
�で
あ
る
。
日
本
語
の
單
語
は
長
短
"な
る
た
め
、
同
じ
く
五
�句
、
あ
る
い
は
七
�句
で
あ
っ
て
も
、
そ
こ
に
含
ま
れ
る
單
語
の
量
は
必
ず
し
も
一
�し
な
い
。
一
首
の
和
歌
の
容
に
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
漢
訳
(
金
)
173
至
っ
て
は
、
更
に
千
差
�別
で
あ
る
。
し
か
し
、
理
論
上
、
古
典
詩
歌
で
は
�語
の
一
字
は
、
基
本
�に
日
本
語
の
假
名
二
�に
相
當
す
る
と
指
摘
さ
れ
て
い
る
(
�)。
そ
れ
故
、
日
本
語
の
三
十
一
�に
よ
っ
て
表
現
さ
れ
る
一
首
の
和
歌
は
、
そ
の
�容
は
�均
し
て
古
典
�語
の
十
五
・
五
字
に
相
當
す
る
こ
と
が
、
お
お
よ
そ
斷
さ
れ
よ
う
。
從
っ
て
、
「
三
四
三
四
四
」
型
の
十
八
字
を
「
三
四
三
四
三
」
型
の
十
七
字
に
修
正
す
る
こ
と
は
、
明
ら
か
に
こ
の
�均
値
に
よ
り
�付
く
の
で
あ
る
。
�に
、
リ
ズ
ム
の
上
で
は
、
和
歌
と
更
に
對
應
す
る
よ
う
に
な
る
。
詩
歌
の
結
び
の
部
分
は
、
々
に
し
て
一
首
の
作
品
�體
の
�韻
效
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
果
の
決
定
に
重
�な
役
�を
果
し
て
い
る
。
和
歌
�譯
の
末
句
を
四
字
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
か
ら
三
字
に
改
め
る
こ
と
で
、
二
拍
の
リ
ズ
ム
を
保
っ
た
ま
ま
、
そ
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
現
れ
る
。
こ
れ
に
よ
っ
て
、
和
歌
の
七
�の
句
末
に
附
隨
す
る
四
分
の
一
拍
相
當
の
休
�に
よ
る
リ
ズ
ム
感
を
取
り
入
れ
、
和
歌
の
よ
う
な
餘
韻
に
富
み
、
意
の
盡
き
ざ
る
獨
特
の
效
果
が
生
ま
れ
て
く
る
。
更
に
、
表
現
の
上
で
は
、
中
國
の
讀
�に
受
け
入
れ
ら
れ
や
す
く
な
る
。「
三
四
三
四
三
」
は
和
歌
�譯
の
原
初
�な
形
態
で
あ
る
。
�譯
を
完
�す
る
段
階
で
は
、
和
歌
の
�部
�
�に
よ
っ
て
そ
れ
を
組
み
合
わ
せ
て
か
ら
句
點
を
付
け
る
。
後
�す
る
よ
う
に
、
一
首
の
和
歌
の
�譯
は
、
最
�
�に
は
い
ず
れ
も
二
つ
の
七
言
句
に
一
つ
の
三
言
句
を
加
え
た
形
と
な
り
、
中
國
の
傳
統
詩
に
よ
く
見
ら
れ
る
も
の
と
な
る
。
�仄
を
究
め
る
こ
と
に
よ
っ
て
、
中
國
古
典
詩
の
韻
律
法
則
と
合
�さ
せ
れ
ば
、
和
歌
の
古
�な
風
韻
を
再
現
す
る
こ
と
が
で
き
よ
う
。
三
、「
三
四
三
四
三
」
の
譯
出
法
の
實
踐
以
下
、
筆
�は
「
三
四
三
四
三
」
の
形
式
を
用
い
て
、
�な
る
�
�
の
和
歌
を
�譯
し
て
み
る
。
(
一
)
七
五
�
七
五
�は
�ち
「
五
、
七
五
、
七
七
」
の
�
�で
あ
る
。『
古
今
集
』
以
後
、
和
歌
の
�流
を
占
め
る
よ
う
に
な
り
、
語
�は
流
麗
輕
快
を
特
�と
す
る
。
見
わ
た
せ
ば
�も
紅
も
な
か
り
け
り
浦
の
と
ま
や
の
秋
の
夕
!
(
新
古
今
集
・
秋
上
・
363・
"原
定
家
)
こ
の
歌
は
典
型
�な
七
五
�で
あ
り
、
そ
の
拍
#
�
�は
�の
と
お
り
で
あ
る
。
(
み
わ
た
せ
)(
ば
×
×
×
)
(
は
な
も
も
)(
み
ぢ
も
×
)(
な
か
り
け
)(
り
×
×
×
)
(
う
ら
の
と
)(
ま
や
の
×
)(
あ
き
の
ゆ
)(
ふ
ぐ
れ
×
)
(
$)
初
句
「
見
わ
た
せ
ば
」
の
末
尾
に
は
、
四
分
の
三
拍
に
相
當
す
る
休
中
國
詩
文
論
叢
第
二
十
八
集
174
�の
停
頓
が
あ
る
。
二
句
目
と
三
句
目
の
�に
は
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
存
在
す
る
が
、
基
本
�に
は
�讀
し
て
お
り
、
三
句
目
の
末
尾
に
は
四
分
の
三
拍
に
相
當
す
る
休
�の
停
頓
が
あ
る
。
四
句
目
と
五
句
目
の
�に
は
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
存
在
す
る
が
、
基
本
�に
�讀
さ
れ
て
お
り
、
五
句
目
の
末
尾
に
は
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
る
。
和
歌
の
原
意
に
忠
實
に
、
「
三
四
三
四
三
」
の
形
式
に
よ
っ
て
�の
よ
う
に
�譯
す
る
こ
と
に
し
た
。
�
處
櫻
紅
�
皆
�
�岸
�廬
日
�秋
原
作
の
句
切
れ
�
�と
對
應
さ
せ
る
た
め
、
二
句
目
と
三
句
目
、
�
び
四
句
目
と
五
句
目
の
二
組
の
「
四
三
」
字
を
組
み
合
わ
せ
て
七
言
句
と
す
る
。
中
國
の
七
言
詩
も
ま
さ
に
「
四
三
」
の
�
�で
あ
る
。
句
讀
點
を
付
け
る
と
、
�の
よ
う
に
な
る
。
�
處
、
櫻
紅
�皆
�
、
�岸
�廬
日
�秋
。
�
め
ぐり
て
の
ぞむ
處
、
櫻
紅
�皆
な
�え
さ
り
ぬ
、
�岸
の
�廬
ば
う
ろ
日
�
に
ち
ぼの
秋
。
そ
の
拍
�
�
�を
示
す
と
、
�の
と
お
り
で
あ
る
。
(
�
)(
處
×
)、(
櫻
)(
紅
�)(
皆
�)(
×
)、(
�岸
)
(
�廬
)(
日
�)(
秋
×
)。
「
�
處
」
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�の
停
頓
が
あ
る
。
「
櫻
紅
�皆
�
」
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
り
、
「
も
紅
�も
な
か
り
け
り
」
の
リ
ズ
ム
感
と
比
較
�
一
�す
る
(
�)。
「
�岸
�廬
日
�秋
」
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
り
、
こ
れ
も
ま
た
「
浦
の
と
ま
や
の
秋
の
夕
�」
に
�
い
リ
ズ
ム
感
を
生
み
出
し
て
い
る
。
こ
こ
で
は
、
和
歌
の
「
七
五
」
句
と
「
七
七
」
句
を
す
べ
て
�語
の
七
言
句
に
譯
し
て
お
り
、
文
字
上
の
長
短
の
�い
は
現
れ
て
い
な
い
も
の
の
、
兩
�と
も
休
�が
含
ま
れ
る
と
い
う
�韻
上
の
特
�が
再
現
さ
れ
て
い
る
。
こ
の
よ
う
に
、
七
五
�の
和
歌
は
最
�
�に
「
三
七
七
」
の
句
式
に
よ
っ
て
表
現
さ
れ
る
。
以
下
に
、
そ
の
ほ
か
の
譯
例
を
示
し
て
お
く
。
春
の
園
紅
に
ほ
ふ
桃
の
下
照
る
�に
出
で
立
つ
を
と
め
(
�
�集
・
卷
十
九
・
4139・
大
�家
持
)
春
!、
桃
灼
灼
紅
交
映
、
少
女
亭
亭
立
�
�。
春
の
!、
桃
灼
灼
し
や
く
し
や
く
た
り
紅
く
れ
な
ゐ
交 こ
も
ご
も
映
ず
、
少
女
亭
亭
と
し
て
�
�に
立
つ
。
"よ
ゆ
め
戀
し
き
人
に
逢
ひ
見
す
な
さ
め
て
の
後
に
わ
び
し
か
り
け
り
(
拾
#集
・
戀
二
・
709・
よ
み
人
知
ら
ず
)
"中
莫
!
伊
人
莫
譴
來
相
會
、
醒
後
料
知
惆
悵
生
。
"の
中
莫
か
れ
。
伊
人
か
の
ひ
と
來
た
り
て
相
ひ
會 くわ
いせ
し
む
る
莫
か
れ
、
醒 さ
め
て
後
料 は
かり
知
る
惆
悵
ち
う
ち
や
うの
生
ず
る
を
。
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
漢
訳
(
金
)
175
(
二
)
五
七
�
五
七
�は
�ち
「
五
七
、
五
七
、
七
」
の
�
�で
あ
り
、
�
�時
代
に
多
く
見
ら
れ
る
。
そ
の
語
�は
�重
典
を
特
と
す
る
。
�
�し
た
阿
倍
仲
呂
の
歌
は
典
型
�な
五
七
�で
あ
り
、
そ
の
拍
�リ
ズ
ム
の
�
�は
�の
と
お
り
で
あ
る
。
(
あ
ま
の
は
)(
ら
×
×
×
)(
ふ
り
さ
け
)(
み
れ
ば
×
)
(
か
す
が
な
)(
る
×
×
×
)(
み
か
さ
の
)(
や
ま
に
×
)
(
い
で
し
つ
)(
き
か
も
×
)
初
句
「
あ
ま
の
原
」
の
末
尾
に
は
四
分
の
三
拍
に
相
當
す
る
休
�の
停
頓
が
あ
る
が
、
第
二
句
と
�讀
さ
せ
な
け
れ
ば
な
ら
ず
、
不
安
定
な
リ
ズ
ム
感
を
生
み
出
し
て
い
る
。
「
ふ
り
さ
け
見
れ
ば
」
の
末
尾
に
は
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
り
、
や
や
停
頓
し
た
後
、
す
ぐ
第
三
句
の
「
春
日
な
る
」
に
續
く
。
三
句
目
と
四
句
目
の
�況
は
初
二
句
と
ほ
ぼ
同
じ
で
あ
る
。
末
句
「
い
で
し
�か
も
」
の
末
尾
に
は
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
る
。
こ
の
歌
を
「
三
四
三
四
三
」
の
形
式
に
よ
っ
て
�の
よ
う
に
�譯
し
て
み
る
。
�長
空
料
知
應
是
春
日
境
三
笠
山
巓
�明
�
句
切
れ
の
�
�に
從
っ
て
、
そ
れ
を
組
み
合
わ
せ
て
句
讀
點
を
付
け
る
と
、
�の
よ
う
に
な
る
。
�長
空
料
知
應
是
、
春
日
境
三
笠
山
巓
、
�明
�。
長
空
を
�み
て
料
り
知
る
應 ま
さ
に
是
な
る
べ
し
と
、
春
日
の
境 さ
か
ひ
三
笠
の
山
巓
さ
ん
て
ん、
�明
�。
そ
の
拍
�リ
ズ
ム
の
�
�は
�の
と
お
り
で
あ
る
。
(
�長
)(
空
×
)(
料
知
)(
應
是
)、(
春
日
)(
境
×
)(
三
笠
)
(
山
巓
)、(
�明
)(
�×
)。
「
�長
空
」
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�の
停
頓
が
あ
る
が
、
「
料
知
應
是
」
と
�讀
さ
せ
な
け
れ
ば
な
ら
ず
、
こ
う
し
た
不
安
定
な
リ
ズ
ム
感
は
「
あ
ま
の
原
ふ
り
さ
け
見
れ
ば
」
と
頗
る
相
似
す
る
。
讀
點
に
よ
っ
て
や
や
休
止
し
た
後
、
以
下
の
「
春
日
境
三
笠
山
巓
」
の
�況
は
�の
句
と
ほ
ぼ
同
じ
で
あ
る
。
末
句
の
「
�明
�」
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
る
。
「
三
四
」
字
を
組
み
合
わ
せ
た
七
言
句
は
格
律
詩
の
句
式
で
は
な
く
、
詞
の
句
式
に
�似
し
て
い
る
。
こ
れ
に
よ
っ
て
、
�體
�に
五
七
�の
リ
ズ
ム
感
が
再
現
さ
れ
て
い
る
と
言
え
よ
う
。
こ
の
よ
う
に
、
五
七
�の
和
歌
は
最
�
�に
「
七
七
三
」
の
句
式
に
表
現
さ
れ
、
そ
の
う
ち
、
二
つ
の
七
言
句
が
と
も
に
「
三
四
」
の
�
�
と
な
っ
て
い
る
。
こ
の
形
式
に
よ
っ
て
、
�
�し
た
額
田
王
の
歌
を
�
の
よ
う
に
�譯
す
る
。
待
�
�正
相
思
處
、
妾
閨
�
�
�簾
動
、
�秋
風
。
�
�を
待
ち
て
正 ま
さに
相
ひ
思
ふ
處
、
妾
が
閨
�
�
�
び
び
と
し
て
簾
中
國
詩
文
論
叢
第
二
十
八
集
176
動
き
、
秋
風
�る
。
(
三
)
そ
の
他
和
歌
に
は
そ
の
ほ
か
、
「
五
七
、
五
、
七
七
」
と
い
う
句
切
れ
の
形
式
が
あ
り
、
そ
の
�感
は
五
七
�と
七
五
�の
中
�で
あ
り
、
作
品
數
は
比
較
�少
な
い
。
春
の
野
に
霞
た
な
び
き
う
ら
悲
し
こ
の
夕
か
げ
に
鶯
鳴
く
も
(
�
�集
・
卷
十
九
・
4290・
大
家
持
)
そ
の
拍
リ
ズ
ム
の
�
�は
、
の
と
お
り
で
あ
る
。
(
は
る
の
の
)(
に
×
×
×
)(
か
す
み
た
)(
な
び
き
×
)
(
う
ら
が
な
)(
し
×
×
×
)
(
こ
の
ゆ
ふ
)(
か
げ
に
×
)(
う
ぐ
ひ
す
)(
な
く
も
×
)
初
句
「
春
の
野
に
」
の
末
尾
に
は
四
分
の
三
拍
に
相
當
す
る
休
�の
停
頓
が
あ
る
が
、
第
二
句
と
�讀
さ
せ
な
け
れ
ば
な
ら
ず
、
不
安
定
な
リ
ズ
ム
感
を
生
み
出
し
て
い
る
。
「
霞
た
な
び
き
」
の
末
尾
に
は
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
り
、
や
や
停
頓
し
た
後
、
す
ぐ
第
三
句
に
續
く
。
「
う
ら
悲
し
」
の
末
尾
に
は
四
分
の
三
拍
に
相
當
す
る
休
�
の
停
頓
が
あ
る
。
四
句
目
と
五
句
目
の
�に
は
、
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�の
み
あ
り
、
基
本
�に
�讀
し
て
お
り
、
五
句
目
の
末
尾
に
四
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
る
。
そ
れ
を
「
三
四
三
四
三
」
の
形
式
に
よ
っ
て
の
よ
う
に
�譯
す
る
。
春
原
野
�霞
繚
繞
漫
傷
悲
夕
照
光
中
鴬
鳥
啼
句
切
れ
の
�
�に
從
い
、
そ
れ
を
組
み
合
わ
せ
て
句
讀
點
を
付
け
る
と
、
の
よ
う
に
な
る
。
春
原
野
�霞
繚
繞
、
漫
傷
悲
、
夕
照
光
中
鴬
鳥
啼
。
春
の
原
野
�霞
え
ん
か
繚
繞
れ
う
ぜ
う
と
し
て
、
漫 そ
ぞ
ろ
に
傷
み
悲
し
む
、
夕
照
の
光
の
中
に
鴬 あ
う鳥 て
う啼
く
。
そ
の
拍
リ
ズ
ム
の
�
�は
の
と
お
り
で
あ
る
。
(
春
原
)(
野
×
)(
�霞
)(
繚
繞
)、(
漫
傷
)(
悲
×
)、(
夕
照
)
(
光
中
)(
鴬
鳥
)(
啼
×
)。
「
春
原
野
」
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�の
停
頓
が
あ
る
が
、
「
烟
霞
繚
繞
」
と
�讀
さ
せ
な
け
れ
ば
な
ら
ず
、
不
安
定
な
リ
ズ
ム
感
を
生
み
出
し
て
い
る
。
「
漫
傷
悲
」
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�の
停
頓
が
あ
る
。
「
夕
照
光
中
」
と
「
鴬
鳥
啼
」
を
組
み
合
わ
せ
る
と
ち
ょ
う
ど
一
つ
の
七
言
格
律
の
詩
句
と
な
り
、
そ
の
末
尾
に
は
二
分
の
一
拍
に
相
當
す
る
休
�が
あ
る
。
リ
ズ
ム
の
上
で
は
原
作
に
か
な
り
�い
も
の
で
あ
る
と
言
え
よ
う
。
こ
の
よ
う
に
、
「
五
七
、
五
、
七
七
」
�
�の
和
歌
は
最
�
�に
「
七
三
七
」
の
句
式
に
表
現
さ
れ
、
そ
の
う
ち
、
一
つ
目
の
七
言
句
が
「
三
四
」
の
�
�と
な
っ
て
い
る
。
そ
の
ほ
か
の
譯
例
を
示
し
て
お
く
。
君
な
ら
で
誰
に
か
見
せ
む
�
�色
を
も
香
を
も
知
る
人
ぞ
し
る
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
漢
訳
(
金
)
177
(
古
今
集
・
春
上
・
38・
紀
友
則
)
�非
君
誰
堪
與
示
?
玉
�
�、
色
香
唯
有
識
人
知
。
�
も
し
君
に
非
ざ
れ
ば
誰 た
れ
に
か
示
す
に
堪
た
え
ん
。
玉
�
�、
色
香
し
き
か
唯
だ
あ
り
識 し
る
人
の
み
知
ら
ん
。
お
わ
り
に
本
稿
で
は
�字
の
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
譯
出
法
を
提
示
し
た
が
、
そ
の
長
�は
�の
と
お
り
で
あ
る
。
(
一
)
表
現
�容
が
和
歌
と
ほ
ぼ
一
し
、
餘
分
な
語
句
を
加
え
る
必
が
な
い
。
(
二
)
拍
數
や
休
�の
位
置
な
ど
の
リ
ズ
ム
の
面
に
お
い
て
は
、
和
歌
と
比
較
�對
應
し
て
い
る
。
(
三
)
中
國
古
典
の
詩
や
詞
の
表
現
傳
統
と
符
合
し
、
中
國
の
讀
に
受
け
入
れ
ら
れ
や
す
い
。
譯
文
は
最
�
�に
は
い
ず
れ
も
、
二
つ
の
七
言
句
に
一
つ
の
三
言
句
を
加
え
た
も
の
と
し
て
書
寫
さ
れ
る
。
�ち
、
七
五
�は
「
三
七
七
」
に
、
五
七
�は
「
七
七
三
」
に
、
「
五
七
、
五
、
七
七
」
の
�
�の
歌
は
「
七
三
七
」
に
な
る
。
こ
の
よ
う
に
、
形
式
が
整
っ
て
お
り
、
和
歌
の
�部
�
�は
一
目
瞭
然
で
あ
る
。
「
三
四
三
四
三
」
形
式
は
、
�容
、
�
�、
リ
ズ
ム
な
ど
和
歌
固
有
の
特
色
を
傳
え
る
と
同
時
に
、
中
國
古
典
の
詩
や
詞
の
表
現
傳
統
に
も
符
合
し
て
お
り
、
和
歌
に
對
す
る
合
理
�な
譯
出
法
で
あ
る
と
言
え
よ
う
。【
�】
(
1
)
詳
し
く
は
、
李
芒
「
和
歌
�譯
問
題
小
議
」(『
日
語
學
�與
�究
』
一
九
七
九
年
第
一
期
)、
「
和
歌
�譯
問
題
再
議
」
(
同
上
、
一
九
八
○
年
第
一
期
)、「
和
歌
�譯
問
題
三
議
」(
同
上
、
一
九
八
一
年
第
四
期
)、
「
日
本
古
典
詩
歌
�譯
問
題
」(
同
上
、
一
九
八
二
年
第
六
期
)、「
和
歌
・
俳
句
の
�譯
『
和
�比
較
文
學
叢
書
』
の
た
め
に
」(『
和
�比
較
文
學
叢
書
第
八
卷
和
�比
較
文
學
�究
の
�問
題
』
、
汲
古
書
店
、
一
九
八
八
年
)
な
ど
を
參
照
さ
れ
た
い
。
(
2
)
本
稿
で
引
用
す
る
�の
和
歌
は
す
べ
て
『
新
日
本
古
典
文
學
大
系
』
(
岩
波
書
店
)
に
よ
る
。
(
3
)
�(1
)李
芒
「
和
歌
�譯
問
題
小
議
」
第
三
九
頁
。
(
4
)
羅
興
典
「
和
歌
�譯
有
獨
特
�形
式
美
�與
李
芒
同
志
�
�」
(『
日
語
學
�與
�究
』
一
九
八
一
年
第
一
期
)。
(
5
)
同
�、
第
四
一
頁
。
(
6
)
詳
し
く
は
、
實
�惠
秀
「
�あ
い
か
ら
羅
興
典
氏
の
和
歌
�譯
論
に
つ
い
て
」
(
『
日
語
學
�與
�究
』
一
九
八
一
年
第
四
期
)、
高
橋
史
雄
「
和
歌
和
俳
句
�
�譯
也
有
獨
特
�
�律
美
�與
李
芒
先
生
和
羅
興
典
先
生
�
�」(『
日
語
學
�與
�究
』
一
九
八
一
年
第
四
期
)
中
國
詩
文
論
叢
第
二
十
八
集
178
�び
王
�「
和
歌
格
律
探
源
」(『
日
語
學
�與
�究
』
一
九
九
○
年
第
三
期
)を
參
照
さ
れ
た
い
。
(
7
)
「
也
談
談
和
歌
�譯
問
題
」
(
『
日
語
學
�與
�究
』
一
九
八
一
年
第
三
期
)。
(
8
)
同
�、
第
三
○
頁
。
(
9
)
孫
久
富
「
關
於
《
�
集
》
�譯
語
言
問
題
探
討
�與
沈
策
同
志
�
」(『
日
語
學
�與
�究
』
一
九
八
三
年
第
四
期
)。
(
10)
「《
�
集
》
�譯
」(『
日
本
文
學
』
一
九
八
三
年
第
四
期
)。
(
11)
中
國
友
誼
出
版
公
司
、
一
九
九
二
年
。
(
12)
復
旦
大
學
出
版
�、
一
九
八
三
年
。
(
13)
同
�、
第
八
八
頁
。
(
14)
李
芒
「
和
歌
・
俳
句
の
�譯
『
和
�比
較
文
學
叢
書
』
の
た
め
に
」
第
二
五
六
頁
。
(
15)
�(
11)錢
稻
孫
譯
書
第
一
〇
五
頁
。
(
16)
人
民
文
學
出
版
�、
一
九
八
〇
年
。
(
17)
同
�、
第
五
九
頁
。
(
18)
「
和
歌
格
�與
�譯
問
題
」
(
『
日
語
學
�與
�究
』
一
九
八
二
年
第
三
期
)。
(
19)
同
�、
第
二
六
頁
。
(
20)
�(6
)高
橋
史
雄
論
文
。
(
21)
詳
し
く
は
、
松
浦
友
久
『
リ
ズ
ム
の
美
學
日
中
詩
歌
論
』
(
明
治
書
院
、
一
九
九
一
年
、
第
二
五
~
二
九
頁
)、『
中
國
詩
歌
原
論
比
較
詩
學
の
�題
に
�し
て
』(
再
版
、
大
修
�書
店
、
一
九
九
二
年
、
第
一
八
二
~
一
八
五
頁
)
、
『
『
�
集
』
と
い
う
名
の
雙
關
語
日
中
詩
學
ノ
ー
ト
』
(
大
修
�書
店
、
一
九
九
五
年
、
第
一
七
三
~
一
八
〇
頁
)
を
參
照
さ
れ
た
い
。
(
22)
�(
21)松
浦
友
久
『
中
國
詩
歌
原
論
比
較
詩
學
の
�題
に
�し
て
』
第
一
九
四
~
二
〇
一
頁
。
(
23)
同
�、
第
一
九
七
頁
。
(
24)
洪
範
書
店
有
限
公
司
、
二
〇
〇
〇
年
。
(
25)
同
�、
第
五
八
頁
。
(
26)
�(
18)丘
仕
俊
論
文
第
二
七
頁
。
(
27)
括
弧
は
一
拍
を
表
し
、
×
印
は
休
�を
表
す
。
以
下
も
同
樣
で
あ
る
。
(
28)
�(
22)と
同
じ
。
(
29)
高
兵
兵
「
和
歌
�譯
實
踐
體
會
」
(
西
北
大
學
學
報
[哲
學
�會
科
學
版
]
一
九
九
八
年
第
一
期
、
第
五
五
頁
)。
(
30)
�(
22)松
浦
友
久
�作
第
一
九
九
頁
。
(
31)
本
稿
で
言
う
と
こ
ろ
の
「
拍
�
�
�」
と
は
、
す
べ
て
「
韻
律
の
リ
ズ
ム
」
を
指
し
、
「
意
味
の
リ
ズ
ム
」
の
こ
と
で
は
な
い
。
兩
�の
�
別
に
つ
い
て
は
、
�(
21)
松
浦
友
久
『
中
國
詩
歌
原
論
比
較
詩
學
の
�題
に
�し
て
』
第
一
八
六
~
一
九
一
頁
を
參
照
さ
れ
た
い
。
こ
の
�原
定
家
の
歌
の
意
味
リ
ズ
ム
は
�の
と
お
り
で
あ
る
。
(
み
わ
た
せ
)(
ば
×
×
×
)
(
は
な
も
×
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も
み
ぢ
も
)(
な
か
り
×
)(
け
り
×
×
)
(
う
ら
の
×
)(
と
ま
や
の
)(
あ
き
の
×
)(
ゆ
ふ
ぐ
れ
)
(
32)
中
國
の
七
言
詩
と
日
本
語
の
七
五
�の
リ
ズ
ム
感
が
�似
し
て
い
る
「
三
四
三
四
三
」
形
式
に
よ
る
和
歌
の
漢
訳
(
金
)
179
こ
と
に
つ
い
て
、
松
浦
友
久
『
リ
ズ
ム
の
美
學
日
中
詩
歌
論
』
(
第
四
四
~
六
〇
頁
)、『『
�
�集
』
と
い
う
名
の
雙
關
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