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破裂音

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破裂音 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -17- □原著論文□ 付加的語彙情報が韓国人日本語学習者の 日本語破裂音識別に与える影響 石鍋 浩* 抄 録 韓国人日本語学習者(KL)を対象に,KL にとって識別困難である日本語語頭破裂音をターゲット音声 とし,[バ(拍)][バン(単語)][バンを運転する(文)]のように付加的語彙情報に差のある 3 条 件の識別力の違いについて検討した。 その結果,全体的傾向として「拍<単語<文」の順で正答数に差が生じ,語彙情報が KL の日本語破裂 ...
破裂音
国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -17- □原著論文□ 付加的語彙情報が韓国人日本語学習者の 日本語破裂音識別に与える影響 石鍋 浩* 抄 録 韓国人日本語学習者(KL)を対象に,KL にとって識別困難である日本語語頭破裂音をターゲット音声 とし,[バ(拍)][バン(単語)][バンを運転する(文)]のように付加的語彙情報に差のある 3 条 件の識別力の違いについて検討した。 その結果,全体的傾向として「拍<単語<文」の順で正答数に差が生じ,語彙情報が KL の日本語破裂 音識別に何らかの影響を与える可能性が示唆された。そこで,[単語→文]の正答数の変化を項目別にさ らに検討したところ,文になり述語情報が付加された場合に正答数が有意に多くなる項目が見られた。語 頭音識別という点で課題は共通であるが,条件によって差が見られた。ここから,KL は純粋な音声情報処 理の面では日本語破裂音の識別に困難点を抱えているものの,付加的語彙情報,特に述語情報を利用しト ップダウン的な情報処理を行っている可能性が示唆された。 したがって,大まかな意味理解に注意を向け,トップダウン的な情報処理方略を活性化させることが, 聴解教育時の効果的な指導法の一つであると考えられる。 Effect of lexical additions on the identification of Japanese plosives by Korean Japanese-learners ISHINABE Hiroshi Abstract Background. Korean Japanese-learners (KL) genarally have the difficulty to identify Japanese plosives when they listen to the Japanese language. This study focuses on the effect of lexical additions on the identification of Japanese plosives by KL. Methods. Experiment. The ability to identify 8 target sounds (/p, b, t, d, k, g, kj, gj/) by KL under 3 conditions―(1)/ba/(mora), (2)/baN/("a van"), (3)/baN o uNteN suru/("Someone drives a van.")― was examined. Participants. 279 KL who study the Japanese language in several universities in Republic of Korea. Procedure. The participants have listened to the audiotape, and have been conducted to identify the target sounds, 8 Japanese plosives (/p,b,t,d,k,g,kj,gj/), under 3 conditions (mora, word, and sentence). Results. Based on the χ2 test, the differences among 3 conditions were significant on every target sound. In addition, based on the result of McNemar test, in 8 cases significant differences were found between the "word" condition and the "sentence" condition. Conclusion. These results suggest that KL can compensate the difficulty to identify Japanese plosives using additional lexical information, especially given predicative information. Therefore, it is considered to be one of the effective methods of instruction to focus on the rough semantic understanding by providing the learners with top-down context. Keywords: Korean Japanese-learners(韓国人日本語学習者),plosive(破裂音), top-down(トップダウン) 受付日:2006 年 9 月 5 日 受理日:2006 年 12 月 12 日 *国際医療福祉大学 国際交流センター Center for International Exchange, International University of Health and Welfare E-mail:steintopf@iuhw.ac.jp International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -18- Ⅰ.はじめに 1.対照から見た韓国人日本語学習者における 問題 母語の音声と似た音響的特質を持つ外国語音声 は母語と同じ音のように聞こえてしまう(竹蓋 1984)ことから,第二言語学習者は,母語の影響 を受けやすいと考えられる。 韓国人日本語学習者(以下 KL)にとっての日本 語音声の問題点は,これまで対照分析による母語 の影響の観点から述べられてきた 1。まず全体を概 観すると,日本語と韓国語の音声は,調音点に関 しては基本的には同じである 2。ただし,硬口蓋音 は,日本語の場合,/i/の前のみ口蓋化するのに対し, 韓国語の場合はどの母音が後続しても口蓋化する。 また調音法については,日本語は口腔音と鼻音, 有声音と無声音で対立するのに対し,韓国語は口 腔音と鼻音,喉頭化音(濃音)と非喉頭化音,非 喉頭化音はさらに強音(激音)と軟音(平音)と いった特徴で対立する。また,有声音・無声音は 軟音(平音)の変異音になる。加えて,韓国語の 場合,語頭の鼻音に閉母音や半閉母音が後続する 時,破裂音化することが許容される(梅田 1982)。 以上のことから,調音点の違いによる破擦音の 口蓋化と非口蓋化間の混同が,調音法の違いによ る破裂音の有声音と無声音間の混同が,また,/m/ と/b/,/n/と/d/の混同の可能性が予測できる。 その他 KL の日本語における音声の問題点とし て,語中の/h/が弱化あるいは脱落する,語頭の/r/ が/n/化あるいは脱落する,母音が無声化しない, 母音の長短の対立がない,音節末子音の/n/がリエ ゾン化する,無アクセント化する,イントネーシ ョンの特徴が日本語と異なる,外来語や漢語の語 形が日本語と異なる(松崎 1999)などのような点 が挙げられている。 石鍋(1997)は,KL と日本語母語話者(以下 JN) を対象に日本語の 27 の子音について類似度判定の 実験を行い,そこから得られたデータをクラスタ ー分析し,JN はおおむね日本語の音韻体系に沿っ て弁別しているのに対し,KL は破擦音グループ対 その他の音声に 2 グループに大きく分かれ,破擦 音を非常に似ているグループと感じていることを 報告している。 2.研究の目的 対照分析からは理論的に KL の音声上の問題点, 特に母語の影響が予測され,単音レベルの知覚実 験でも同様の傾向が報告されている。その一方で, 人間の聴解過程には,音声信号の中の音響情報を 利用するボトムアップと語用論的な情報,意味的 な情報,あるいは他の言語学的な情報を利用する トップダウンという 2 つの情報処理過程(ライア ルズ 2003)がある。 例えば,日本語ネイティブが/タタミ/とだけ 発音した場合,一定水準以上の日本語能力のある KL は何らかの意味(「ただ見? 畳?」)を想起す る可能性があるが,それ以外に識別(identification) の手掛かりとなるのは音響的情報しかなく,/タ/ が有声音であるか無声音であるかの識別に困難を 生じると考えられる。ところが,/タタミ ノ ヘ ヤ/,あるいは,/タタミ ノ ヘヤ ニ トマ ル/となると,/タ/の識別以外に,「の部屋」,「に 泊まる」などの意味的な情報から,文脈上ありう る単語として「畳」が選択されやすくなると考え られる。Rost(1990)は,このような現象を語彙効 果(Lexical effects)と呼んでいる。 このように,人間は音響情報以外に語彙情報を 利用することがわかっているが,KL を対象に語彙 情報をどのように利用するかについて調べた研究 1 本稿では,KL について「韓国語を母語とし,教室場面において外国語として日本語を学習している者」と定義す る。また,学習開始時期は臨界期仮説(エリス 1988)による年齢以降の者とする。 2 “articulation”に対する訳語として,言語学では「調音」が,医学では「構音」が用いられている(日本音声学会 編 1976)。本稿では言語学で一般的に用いられている「調音」を“articulation”の意味として用いる。 International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -19- は,管見の限り極めて少ない。 そこで,本研究では,KL を対象に,付加的語彙 情報が KL にとって困難であると予測される日本 語破裂音の識別に与える影響について検討するこ とを目的とする。 Ⅱ.方法 1.対象 韓国釜山市・釜慶大学校および同市・東義大学 校で日本語を勉強している 279 名の学生を対象に 2000 年 11 月 6 日から 10 日まで,両校で調査を行 った。形式は,テープを聞いて,日本語語頭破裂 音について有声音か無声音かの識別を行うもので, 会場ごとに集団で一斉に行った。また,刺激音中 の意味理解に関する調査と日本語能力レベル分け テストを対象全員に合わせて実施した。対象につ いて学年の内訳を表 1 に,また専攻の内訳を表 2 に示す。 表 1 対象者 学年別の内訳 釜慶大学校 東義大学校 合計 学部 1 年 65 ‐ 65 学部 2 年 51 36 87 学部 3 年 66 2 68 学部 4 年 30 23 53 大学院 5 ‐ 5 情報なし 1 ‐ 1 合計 218 61 279 表 2 対象者 専攻別の内訳 釜慶 大学校 東義 大学校 合計 学部日本語専攻 149 61 210 学部日本語以外専攻 64 ‐ 64 大学院日本語専攻 5 ‐ 5 合計 218 61 279 なお,調査に当たって,結果は研究目的以外に は使用しないこと,および論文中個人のプライバ シーに関することには一切言及しないことを韓国 語にて口頭と文書で提示し,協力の同意を得た。 2.日本語語頭破裂音の識別テスト 8 つの日本語語頭破裂音,/p/,/b/,/t/,/d/,/k/, /g/,/kj/,/gj/をターゲット音声とし,識別テストを 行った 3。刺激音は,拍単位,単語単位,文単位の ように語彙情報に差のある 3 条件を作成した。後 続母音は,拍単位,単語単位,文単位全て/a/とし た 4。ターゲット音声および刺激音として使用した 3 つの条件を一覧表にして表 3 に示す。 刺激音作成に際しては,デジタルオーディオテ ープレコーダ(SONY TCD-D10)を使用し,サン プリングレート 44.1kHz にて防音室で元音源を録 音した。また,編集過程において,KAY 社製,CSLTM Model 4300B による音響分析結果を目視し,音圧等 に極端な偏りがないようにした。さらに,刺激音 完成後,本実験前に日本語母語話者(2 名)による チェックを行い,拍単位,単語単位,文単位のタ ーゲット音声が正しく識別されることを確認し, 刺激音として使用できると判断した。 なお,ターゲット音声の位置であるが,語中に ターゲット音声が含まれる刺激音を作成した場合, 「先輩/seNpai/」,「千倍/seNbai/」のように,/a/以外 の先行音によって音声的影響が生じる可能性があ るため本研究においては,語頭音の識別に対象を 絞ることとした。 拍単位では,各ターゲット音声+/a/,すなわち, /パ/,/バ/,/タ/,/ダ/,/カ/,/ガ/,/キャ/,/ギャ/を 聞き,どの音に聞こえたか絶対判断をするテスト を行った。解答方法は,例えば,ターゲット音声/t/ の場合,[□た □だ]のようにひらがなで提示し, 3 両唇,歯茎,軟口蓋を調音位置とすること,語頭に/a/が後続して語を成すこと,ミニマルペアが存在することとい う基準に当てはまる 8 音を選択した。 4 ターゲット音声以外の音声的要因による反応の揺れを極力排除するため,日本語・韓国語で共通性の高い母音とし た。/a/は,調音点の近接度および非円唇開母音である点(梅田 1982)から,KL が日本語の/a/を韓国語の/a/以外の 音韻として認知する可能性は低いと判断した。 International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -20- その二者択一式とした。提出順は,8 つの刺激音を ランダム配列し,それぞれ 3 回(合計 24 刺激)ず つ聞かせた。 単語単位は,各ターゲット音声+/a/( /pa/, /ba/・・・・)が語頭に現れ,かつ,アクセント型が共 通のミニマルペアとした(「単語」,「団子」など)。 刺激音とした単語は,各ターゲット音声それぞれ 3 種類,合計 24 個である。提出順は,各刺激音をラ ンダム配列し,それぞれ 1 回ずつ(合計 24 刺激) 聞かせた。解答方法は,[□たんご □だんご]の ように,ミニマルペアとなる単語をひらがなで提 示し,その二者択一式とした。 文については,単語単位で用いたミニマルペア に述語を加えた文を作成した。文は,「単語を覚え る」・「団子を食べる」のように助詞の発音は統一 (意味用法は異なるものもある)し,述語のみ異 なるものを作成した。刺激音とした文は,単語単 位の 24 の単語で始まる文である。刺激音は,各タ ーゲット音声を含む文をランダム配列し,それぞ れ 1 回ずつ(合計 24 刺激)聞かせた。解答方法は [□たんごを~ □だんごを~]のように,助詞 の部分までをひらがなで提示し,その二者択一式 とした。 3.文単位の刺激音の意味理解に関する調査と日本 語能力レベルテスト 対象が文単位の刺激音の意味を理解していたか どうかについて,識別テスト終了直後に質問紙(資 料 1)を用いて行った。 また,1995,1996,1997 年度日本語能力試験 1 ~4 級の語彙(和語・漢語・外来語),文法および 聴解問題を使用し,全 28 問から成る日本語能力レ ベルテストを作成し,対象全員に対し実施した (N=279,平均=16.7,SD=6.1)。問題選択の基準は, 表 3 ターゲット音声および刺激音として使用した 3 つの条件の一覧 ターゲット音声 拍単位 単語単位 文単位 /p/ ぱ パリ パス パン パリのエッフェル塔です パスをする パンを焼く /b/ ば バリ バス バン バリの古代遺跡です バスを修理する バンを運転する /t/ た 単語 タイ記録 退学 単語を覚える タイ記録で引き分けた 退学になる /d/ だ 団子 大記録 大学 団子を食べる 大記録で優勝した 大学に通う /k/ か 感嘆 過労 カード 感嘆の拍手です 過労で寝込む カードをなくす /g/ が 元旦 画廊 ガード 元旦の朝です 画廊で働く ガードを固める /kj/ きゃ 客 キャップ 脚光 客にサービスする キャップを外す 脚光を浴びる /gj/ ぎゃ 逆 ギャップ 逆行 逆に回す ギャップを埋める 逆行を禁止する International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -21- 表 4 各ターゲット音声,単位別反応の度数の一覧 ( )内はパーセンテージ ①/p/ 拍 単語 文 ②/b/ 拍 単語 文 B 223(26.6) 310(37.0) 73(8.7) P 368(44.0) 314(37.5) 177(21.1) P 614(73.4) 527(63.0) 764(91.3) B 469(56.0) 523(62.5) 660(78.9) /p/:χ2 (2)=187.58, p<.005 /b/:χ2 (2)=102.92, p<.005 ③/t/ 拍 単語 文 ④/d/ 拍 単語 文 D 244(29.2) 118(14.1) 56(6.7) T 112(13.4) 46(5.5) 44(5.3) T 593(70.8) 719(85.9) 781(93.3) D 725(86.6) 791(94.5) 793(94.7) /t/:χ2 (2)=158.04, p<.005 /d/:χ2 (2)=48.37, p<.005 ⑤/k/ 拍 単語 文 ⑥/g/ 拍 単語 文 G 482(57.6) 156(18.6) 136(16.2) K 159(19.0) 78(9.3) 41(4.9) K 355(42.4) 681(81.4) 701(83.8) G 678(81.0) 759(90.7) 796(95.1) /k/:χ2 (2)=422.83, p<.005 /g/:χ2 (2)=88.40, p<.005 ⑦/kj/ 拍 単語 文 ⑧/gj/ 拍 単語 文 GJ 288(34.4) 169(20.2) 118(14.1) KJ 89(10.6) 54(6.5) 47(5.6) KJ 549(65.6) 668(79.8) 719(85.9) GJ 748(89.4) 783(93.5) 790(94.4) /kj/:χ2 (2)=103.00, p<.005 /gj/:χ2 (2)=17.30, p<.005 (注)①上段の“/p/”はターゲット音声,下段の大文字で示した“B”,“P”はそれらに対するそれぞれの 反応を表す。②~⑧も同様。 外国人日本語能力試験実施委員会(1997,1998, 1999)の分析結果より,困難度 0.25~0.80,識別力 0.30 以上とした。 Ⅲ.結果 1.全体的傾向 ―3 条件間の比較― 本節では,語彙情報に差のある拍,単語,文の 各単位の識別テストの結果の全体的傾向について 述べる。 表 4 は,各ターゲット音声の識別テストの結果 を拍,単語,文の各単位別に示したものである。 数値は各ターゲット音声に対するそれぞれの反応 の度数を,括弧内はそのパーセンテージを示して いる。偏りの有意差判定はχ2 検定により行った。 また,図 1 は,各ターゲット音声に対する,拍単 位,単語単位,文単位の反応の割合および残差分 析の結果を示したグラフである。 表 4 の①,②は,ターゲット音声/p/,/b/の結果 である。χ2検定の結果,/p/,/b/とも拍単位,単語 単位,文単位の偏りは有意であった。表 4 の③か ら⑧についても同様に拍単位,単語単位,文単位 の偏りは有意であった。 そこで残差分析を行った結果,図 1 の①,②に 見られるように/p/では単語単位と文単位の正答数 の差が大きかった。また,/b/では拍単位と文単位 の正答数の差が大きかった。 同様に③,④に見られるように/t/では拍単位と文 単位の正答数の差が大きく,/d/では拍単位と単語 単位および文単位の正答数の差が大きかった。 また,⑤,⑥に見られるように/k/では拍単位と International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -22- ①/p/に対する反応 ** (+)** (-) * (-) ** (+) * (+) ** (-) 0% 25% 50% 75% 100% 拍 単語 文 B P ②/b/に対する反応 ** (+)* (-) ** (-) ** (-) * (+) ** (+) 0% 25% 50% 75% 100% 拍 単語 文 P B ③/t/に対する反応 ** (+) * (+)** (-) * (-) ** (+) ** (-) 0% 25% 50% 75% 100% 拍 単語 文 D T ④/d/に対する反応 ** (+) ** (-) ** (+) ** (+) ** (-) ** (-) 0% 25% 50% 75% 100% 拍 単語 文 T D ⑤/k/に対する反応 ** (-) ** (+) ** (+) ** (+) ** (-) ** (-) 0% 25% 50% 75% 100% 拍 単語 文 G K ⑥/g/に対する反応 ** (-) * (+) ** (+) * (-) ** (-) ** (+) 0% 25% 50% 75% 100% 拍 単語 文 K G ⑦/kj/に対する反応 ** (-) * (+) ** (+) ** (+) * (-) ** (-) 0% 25% 50% 75% 100% 拍 単語 文 GJ KJ ⑧/gj/に対する反応 ** (-) n.s. (+) ** (+) ** (+) n.s. (-) ** (-) 0% 25% 50% 75% 100% 拍 単語 文 KJ GJ 図 1 各ターゲット音声に対する各反応の割合 (注 1)“①/p/に対する反応”は,ターゲット音声/p/に対する反応の割合を示す。大文字 B は/b/と反応 した割合,P は/p/と反応した割合である。②~⑧も同様。 (注 2)(+):期待度数以上 (-):期待度数以下 (注 3)**p<.01, *p<.05, n.s.p>.10(残差分析) International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -23- 単語単位および文単位の正答数の差が大きく,/g/ では拍単位と文単位の正答数の差が大きかった。 最後に⑦,⑧に見られるように,/kj/では拍単位 と文単位の正答数の差が大きく,/gj/では拍単位と 文単位の正答数の差が大きかった。 以上の結果から,KL による日本語破裂音の識別 は,/p/を除き,拍単位で正答数が少なく,文単位 で正答数が多いという傾向が見られた。語頭音を 識別するという点で課題は各単位共通であるが, 述語付加後の文単位の正答数が全てのターゲット 音声に渡って他の条件よりも特に高かった。これ は,語彙情報の差が KL による日本語破裂音の識別 に何らかの影響を与えたことを示唆していると考 えられる。 2.単語単位と文単位の値の変化 ―刺激音別の検討― 1 の結果から,語彙情報,特に述語情報の差が KL による日本語破裂音の識別に何らかの影響を 与えた可能性が示唆されたが,全体的傾向だけで は述語情報が加わったことによる具体的な影響ま では分からない。そこで,単語単位→文単位の値 の変化に着目し,述語が加わったことによる影響 について個別に検討した。分析は,マクネマーの 検定を用い,24 種類の刺激音別に調べた 5。 なお,ここでは語彙知識以外の影響を極力排除 するために,意味理解に関する質問紙(資料 1)の 質問 1 から 3 に回答したグループを分析対象とし た。分析対象群と除外群の日本語能力であるが,t 検定の結果,2 つの例を除き,分析対象群のほうが Ⅱ-3 で行った日本語能力レベルテストの平均の差 は有意に高かった。因みに「大記録で優勝した」 と「退学になる」は分析対象群と除外群の間に有 意差は認められなかった。 表 5 は,分析対象者について「単語単位→文単 位」のように見た時の各項目の結果の一覧である。 「0→0」「0→1」・・・のようにあるのは,「単語単位 →文単位」で見た場合の「誤答→誤答(0→0)」,「誤 答→正答(0→1)」,「正答→誤答(1→0)」,「正答 →正答(1→1)」,の 4 通りの組み合わせである。 また,その隣の数値は,それぞれの度数を表す。 例えば,パリの欄の「0→1 11」は,「単語単位」 は誤答であったが,「文単位」は正答であった者が 11 名いたということを示している。N は各刺激音 における分析対象者の人数である。 マクネマーの検定の結果,「バリ→バリの古代遺 跡です」,「パス→パスをする」,「バン→バンを運 転する」,「団子→団子を食べる」,「退学→退学に なる」,「感嘆→感嘆の拍手です」,「元旦→元旦の 朝です」,「客→客にサービスする」の 8 項目で,「0 →1」が「1→0」の数を有意に上回った。また,「パ ン→パンを焼く」は有意傾向であった。これらは, 述語が加わったことにより正答数が上がったと考 えられる項目である。 「単語単位→文単位」で変化の見られなかった 項目 14 例中 13 例は,単語単位ですでに高い正答 率を示した(パリ:95.0%,単語:88.9%,タイ記 録:100.0%,大記録:95.7%,大学:97.4%,過労: 88.8%,画廊:96.3%,カード:98.8%,ガード: 92.9%,逆:95.4%,キャップ:91.5%,ギャップ: 100.0%,逆行:95.8%)。残りの 1 例,「脚光(71.4%) →脚光を浴びる(81.0%)」は,単語単位の正答率 が比較的低く,「0→1」と「1→0」にも差が見ら れなかった。 また,「バス→バスを修理する」は,「1→0」が 「0→1」を有意に上回った例,すなわち,「修理す る」が付加された結果,/p/と/b/の混同が逆に多く なった例である。 5 マクネマーの検定の適用に関して,池田(1989)では,「・・・イェーツの連続補正をした T=(|b-c|-1)2/(b+c)を検定統計 量として,検定仮説のもとで Tの分布が近似的に自由度 1 のカイ二乗分布となることを利用することもできる」と ある。本稿ではこの方法を適用した。 International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -24- Ⅳ.考察 1.全体的傾向 ―3 条件間の比較― KL による日本語破裂音の識別は,拍単位では正 答数が少なく,単語単位・文単位では正答数が多 くなるという傾向が見られ,語彙情報の差が KL に よる日本語破裂音識別に何らかの影響を与えたと 考えられる。この結果は,KL が日本語破裂音を識 別するに際しトップダウン的な情報処理を行うこ とができる可能性を示唆している。特に,述語情 報が付加された文単位の正答数が高いことからも その可能性がうかがわれる。 その一方で,拍単位の値が低かったことは,音 声中の純粋な情報,すなわちボトムアップ情報(ラ イアルズ 2003)処理の面で KL は困難点を引きず ると考えられる。ネイティブスピーカーであれば, 音響的情報を利用するボトムアップと語用論的な 表 5 単語単位から文単位への結果一覧 (0→0:不正解→不正解,0→1:不正解→正解,1→0:正解→不正解,1→1 正解→正解) パリ n.s. T=1.56 バリ** T =12.19 パス* T =5.94 バス** T =15.13 パン† T =3.12 バン** T =100.69 0→0 0→1 1→0 1→1 1 11 5 221 0→0 0→1 1→0 1→1 9 19 4 46 0→0 0→1 1→0 1→1 15 24 9 135 0→0 0→1 1→0 1→1 21 19 53 123 0→0 0→1 1→0 1→1 4 18 8 178 0→0 0→1 1→0 1→1 9 114 4 69 N=239 N=78 N=183 N=216 N=208 N=196 単語 n.s. T =2.7 団子* T =4.27 タイ記録 n.s. T =0 大記録 n.s. T =0.75 退学** T =20.83 大学 n.s. T =0 0→0 0→1 1→0 1→1 4 20 10 182 0→0 0→1 1→0 1→1 1 12 3 178 0→0 0→1 1→0 1→1 0 0 1 42 0→0 0→1 1→0 1→1 2 4 8 125 0→0 0→1 1→0 1→1 1 28 2 103 0→0 0→1 1→0 1→1 1 5 4 218 N=216 N=194 N=43 N=139 N=134 N=228 感嘆* T =5.63 元旦** T =11.53 過労 n.s. T =0.24 画廊 n.s. T =0 カード n.s. T =0 ガード n.s. T =1.5 0→0 0→1 1→0 1→1 17 28 12 52 0→0 0→1 1→0 1→1 1 16 1 81 0→0 0→1 1→0 1→1 4 7 10 71 0→0 0→1 1→0 1→1 1 2 1 77 0→0 0→1 1→0 1→1 0 2 3 161 0→0 0→1 1→0 1→1 1 5 1 78 N=109 N=99 N=92 N=81 N=166 N=85 客** T =14.25 逆 n.s. T =0.17 キャップ n.s. T =0.17 ギャップ n.s. T =0 脚光 n.s. T =1.5 逆行 n.s. T =1.79 0→0 0→1 1→0 1→1 8 42 13 167 0→0 0→1 1→0 1→1 2 4 2 123 0→0 0→1 1→0 1→1 2 3 3 51 0→0 0→1 1→0 1→1 0 1 0 31 0→0 0→1 1→0 1→1 7 5 1 29 0→0 0→1 1→0 1→1 0 4 10 82 N=231 N=131 N=59 N=32 N=42 N=96 **p<.01, *p<.05, †p<.10, n.s.p>.10 International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -25- 情報,意味的な情報,あるいは他の言語学的な情 報を利用するトップダウンの 2 つのチャンネルか らの情報処理が行われるが,KL による日本語破裂 音識別においては音響的情報を利用するボトムア ップ的な情報処理はあまり有効ではないと考えら れた 6。 2.単語単位と文単位の値の変化 ―刺激音別の検討― 単語単位の正答数より文単位の正答数のほうが 有意に多くなった 8 例については,述語が付加さ れたことにより,補語と述語の意味的情報がター ゲット音声識別に影響を与えた,つまりトップダ ウン的な情報処理によると考えられる。 例えば,「パリのエッフェル塔です」の「パリ」 のみ,あるいは「バリの古代遺跡です」の「バリ」 のみでは,地名だということが分かったとしても, 識別は/p/,/b/の対立しかない。これだけでは, 音響情報を利用するボトムアップ的な情報処理の チャンネルしかなく,KL にとっては依然識別困難 であると予想される。ところが,「古代遺跡です」 という述語が付加され,トップダウン的な情報処 理の余地が生じたことによって,フランスの首都 である「パリ」の可能性が排除され,その結果,「バ リの古代遺跡です」の正答数が多くなったのでは ないだろうか。仮に,人間による言語音の処理が, 常に音韻→形態→統語のように小さい単位から大 きい単位へボトムアップ的(例えば,「バリの古代 遺跡です」の語頭は両唇有声破裂音+/a/であり, 次の単位には弾き音+/i/が来るというように各音 韻情報処理に成功した後に,「バリ」+「の」+「古 代遺跡」+「です」と語のレベルに分節され,次 に統語処理として[バリの[古代遺跡です]]のよ うな段階を踏んだ情報処理)に一方向にしか働か ないとしたら,文単位の正答数が多くなることの 説明はしにくい。 また,「バンを運転する」では,「運転する」が付 加されたことにより,対立する「パン」が想起さ れたとしても,「パンは運転するものではない」と いうトップダウン的な情報処理の余地が生じた結 果なのではないかと思われる。ここでも,/p/,/b/ のみが識別材料の単語単位とは違い,述語情報が 加わって,文全体の意味が破裂音識別に影響を与 えるようなトップダウン的情報処理が働いたと考 えると現象の説明がしやすくなる。 同様に「パスをする」の場合は,対立する「バ ス」が想起されたとしても,「バス+をする」とい う文の意味が成り立たないことから,乗り物の可 能性が排除されたのではないかと思われる。ただ し,「パスをする」自体は,刺激音作成段階におい ては「を」を付けることによって,「(球技で)ボ ールを味方に渡す」を第一義と見なしたが,「パス する」のように助詞を除くと「指名を受けない」, 「合格する」などの解釈も成り立つ多義性の強い 語である。さらに,「パス」は“pass”由来の外来 語として,韓国語では“패스”のように表記し, 有気音に舌の収縮を伴わない非閉非開母音(梅田 1982)が後続するなど,ターゲット音声/p/以外に も識別に影響を与えうる要素があることから,述 語付加の影響の程度について不透明な点が多い。 /p/と/b/で対立し,かつアクセント型が共通するミ ニマルペアを使用する場合は外来語を使わざるを えない。しかし,外来語の場合,日本語と韓国語 の間の音韻置き換え規則が異なり,さらに意味の ある文を刺激音に用いることを原則とすると制約 条件が一層厳しくなる。この点は本研究における 今後の検討課題である。 「退学になる」と「客にサービスする」も,対 6 ネイティブスピーカーによる音響的情報利用の例として,有声破裂音と無声破裂音の識別には有声開始時間(voice onset time, VOT)が関与し,VOT 値が一定範疇内にある場合,ネイティブスピーカーはほぼ 100%有声音と無声音 を識別すると言われている(ライアルズ 2003)。 International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -26- 立する語に置き換えた場合,意味解釈の余地が残 る(「大学になる→【学制が変更になる…など】」, 「逆にサービスする→【『もてなされる』側のはず が『もてなす』側になる】」)。しかし,この 2 例は 文単位の正答数が有意に多かったことから,「処分 を受ける(~になる)」という意味と「退学」が, また「サービス」という意味と「客」が比較的強 く結び突き,対立する「大学」と「逆」が排除さ れ,意味理解がなされたのではないかと思われる。 これら 8 例は,単語単位での識別に困難を生じ た場合でも,文の識別においては述語情報が付加 されたことによって,トップダウン的な情報処理 がなされた可能性を示唆している。 以上の結果から,KL は単語単位でターゲット音 声識別に失敗するような場合でも,語彙情報が付 加された場合は日本語破裂音識別の困難点を補う ことができると推測される。聞き取りにおいては 「音の受動的な取りこみのようであるが,連続的 な音響信号の中から意味を抽出するためには,能 動的な聞き手の働きかけが必要(竹内 2000)」で あると言われているが,本研究の結果から,KL も 音韻処理に困難を抱える日本語破裂音の識別に際 し,トップダウン的な方略を用いて能動的に聞き 取りを行っていることが示唆された。 3.例外の検討 1)変化の見られなかった例 「単語単位→文単位」の正答数に差が見られな かった 14 例のうち,13 例が単語単位で特に高い正 答率を示した。この 13 例は,単語単位になった段 階で日本語能力や既有の語彙知識などがターゲッ ト音声識別にも影響を与えたと考えられる。 14 例中の残りの 1 例,「脚光(正答率:71.4%) →脚光を浴びる(正答率:81.0%) T =1.5 n.s.」は, 「単語単位→文単位」で,比較的低い正答率のま ま変化の見られなかった項目である。この結果に ついては,「脚光を浴びる」は慣用表現であるとい う点が他の文単位刺激音との違いとして挙げられ る。しかし,韓国語の語彙には「脚光」に対する 漢字語“각광”がある点,また,「脚光を浴びる」 に対して,“각광을 받다.”という表現の例文が日 韓辞典に見られ,韓国語でも慣用的な表現である と思われるところから,これが正答率の低い原因 とも考えにくい 7。あるいは,「脚光=각광」が想 起され,意味理解に障害は生じなかったが,“각광” の語頭音が無気音であることから,無気性の強い /gj/が選択されたとも考えられるが,いずれも仮説 の域を出ない。 2)文単位の正答率が低下した例 単語単位の正答数が有意に少なかった「バスを 修理する」であるが,設定条件を変更して追試を 行い,その結果から最終的な判断をするのが妥当 であろう。したがって,以下は推測の域を出ない が,「バス」と対立する「パス」の多義性と,韓国 語における外来語の音韻置き換え規則など複数の 要因が関与したことにより,トップダウン処理が うまく働かなかったのではないかと考えられる。 日本語の外来語「パス」と「バス」に当たる語は, 英語“pass”,“bus”由来の外来語として韓国語の 語彙にある。しかし,上述のように“pass”は“패스” のように,有気音+舌の収縮を伴わない非閉非開 母音(梅田 1982)となる点,“bus”は“버스”の ように,無気音に円唇開母音(梅田 1982)が後続 する点で,それぞれ日本語における外来語の音韻 置き換え規則とは異なる。仮に「バス」に対立す る語として「パス」が想起されたとしても,「パス」 の複数の語義と「修理する」との意味照合および, 「パス」は,英語の“pass”由来の“패스”である ことなどの情報処理を同時並行的に行わなければ ならず,他の刺激音と比べて処理負担が多くなっ 7 『New Ace 日韓辞典』,1987,金星出版社,ソウル p.491, ただし,“받다”は,「(動作主が)物・感情・行為 などを他から受ける」という意味の固有語である。 International University of Health and Welfare NII-Electronic Library Service 国際医療福祉大学紀要 第 11 巻 2 号(2006) -27- た可能性もあると思われる。 4.聴解教育への応用 本研究の結果から,条件によって KL は能動的に 日本語音声を聞き取ることもできると考えられる。 したがって,そのような聞き取り行動の特性を十 分理解した上で,実際の教育場面では,意味に注 意を向けた指導を適切に行うことにより,トップ ダウンの情報処理を活性化させるような指導を行 っていく工夫が必要であろう。そのような指導を 通して,音素の違いによる困難点を克服するひと つのきっかけ,あるいは方略を示すことができる かもしれない。日本人とのコミュニケーション成 立性を聴解教育のゴールのひとつとして設定する 観点からも,大まかな意味理解の優先を聴解指導 のひとつの目安とすることができると考えられる。 例えば,音韻処理段階で躓き,そこから前進でき ない学習者に対しては,トップダウン的な方略を 用いることが発話意図の理解においては有効であ ることを示すことによって,聞き取り方略のバリ エーションを示すことができるだろう。 しかし,言語音声は発音された瞬間に消えてい く性質を持つため,ボトムアップ処理の音韻処理 段階で停滞してしまうと,形態素や統語処理が困 難になると考えられる。特に,本稿において拍単 位の正答率が低かったことからも,有声音と無声 音で対立する日本語破裂音は KL にとっては識別 困難な音声であり,JN が日本語破裂音をほぼ問題 なく識別する(吉田 1990)のとは対照的である。 したがって,学習者が音韻処理の段階で大きな問 題を抱えていることも常に念頭に置いて指導に当 たる必要があるだろう。その上で,トップダウン とボトムアップの 2 つの処理過程をうまく併用す ることができるよう,意味に注意を向けた指導と, 音素の違いから来る困難点を考慮に入れた指導の バランスに配慮する必要もあるだろう。 Ⅴ.結語 付加的語彙情報が KL にとって困難であると予 測される日本語破裂音の識別に与える影響につい て検討した結果,次の点が示唆された。 (1)KL による日本語語頭破裂音の識別力は,全 体的傾向として,[拍単位<単語単位<文単 位]の順で差が生じることから,KL が日本 語音声を聞き取る際,音響的情報を利用する 方略の有効性は低いと考えられる。 (2)しかし,付加的語彙情報,特に述語情報によ って,日本語破裂音識別の困難点を補うこと もできることから,意味に注意を向けた指導 が有効であると考えられる。 本研究においていくつかの問題点が残った。Ⅳ-2 でも検討したが,「パスをする」のように一部意味 の曖昧な刺激音があったため,破裂音識別テスト の結果に与えた要因が特定できなかった。また, アクセント型をそろえる必要性,日本語の語彙体 系による単語選択面の和語,漢語,外来語の偏り など,有意味語を用いての実験の限界を補うため の追試等も必要であると考える。さらに,同条件 における JN の知覚実験の結果と KL の結果につい ても検討の余地がある。 その他,文単位で正答数が少なくなった「バス を修理する」のような例は,複数の処理を同時並 行的に行えなかったと仮定した場合,一時的に情 報を保持しておくワーキングメモリの役割(齊藤 2001)の観点から検討する必要があるだろう。 本研究は,ある刺激から得られた反応に基づき, KL の認知過程にアプローチしようとしたもので ある。近年は,その内部メカニズムを脳のはたら きとして無侵襲に観察することができる装置が発 達してきている(佐藤・牧 2005)という。本研究 で行った,刺激に対する反応の結果と脳活動を照 らし合わせることによって,外国人に対する聴解 教育へのヒントを見出すことができるかもしれな い。今後の課題としたい。 International University of Health and
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