各种新规抗精神病薬体重変化代谢异常...

26L-am14 各種新規抗精神病薬における体重変化および代謝異常に関する研究 ◯中橋　明花1，高橋　沙樹2，椎　崇3，川野　千尋1,2,3，平山　武司1,2,3，黒山　政一1,2,3 （1北里大院薬，2北里大薬，3北里大東病院薬） 【目的】新規抗精神病薬は幅広い薬理作用と錐体外路症状などの有害事象が少な い特徴がある。一方、肥満や耐糖能異常などの代謝異常が報告されている。そこ で、各種新規抗精神病薬における体重変化、代謝異常の相違について検討した。【方 法】北里大学東病院において統合失調症と診断された入院患者のうち、入院後、 単剤で新規抗精神病薬を開始し、2週間以上継続服用した患者、olanzapine(OLZ： MARTA)30 例、risperidone(RIS：SDA)43 例、Aripiprazole(ARI：DSS)30 例を対象 とした。体重は全対象患者と服用開始時の BMI標準群(18.5≦BMI＜25:n=14,34,18) の各薬剤服用前後の体重変化割合(％)を算出し、服用前後および薬剤間で比較し た。検査値は服用開始時点の Glu･TC･TG、服用中の最高 Glu･TC･TG を調査し、服 用前後の検査値および薬剤間で検査値の変動割合(％)を比較した。【結果】OLZ･ RIS･ARI 服用前後の体重変化割合はそれぞれ 9.06･0.41･-2.38％、BMI 標準群では 6.47･0.62･-2.90％であり、いずれもOLZのみ有意な増加(p＜0.01)が認められた。 薬剤間の比較では BMI 標準群において OLZ-RIS(p=0.007)、OLZ-ARI(p＜0.001)で有 意差が認められた。 OLZ 服用群の Glu・TC・TG (開始時-最高時)はそれぞれ 90.1-98.6・175.1-198.6・90.7-144.9mg/dL、RIS 服用群は 94.8-96.4・177.6-178.4・ 103.4-116.6mg/dL、ARI 服用群は 93.9-87.3・201.6-184.9・115.0-114.4mg/dL で あり、OLZ 服用前後の TC・TG のみ有意に上昇していた。薬剤間の比較では Glu： OLZ-ARI(p＝0.01)、TC：OLZ-RIS(p＝0.03)、OLZ-ARI(p＝0.001)、TG：OLZ-RIS(p ＝0.01)、OLZ-ARI(p＝0.002)でいずれも OLZ の変動割合が大きく、有意差が認め られた。【考察】OLZ は RIS、ARI と比較して、明らかな体重増加、TC・TG の上昇 が認められ、肥満や脂質代謝異常により注意すべき薬剤であることが示唆された。