日本文学史名词解释

文学とは、言語表現による芸術作品の事をいう。それらを研究する学問も文学と称される。狭義には、小説や詩、文芸評論などを典型的な文学の例とする。 隠者文学とは、僧侶で室町幕府の時代に始まった。主に日本の中世において、俗世間から隠遁すり道を選んだ者達によって書かれた作品群の総称である。たとえば、和歌、随筆、日記、文学とその形態はさまざまなものがある。特に、新たしい仏教の禅は当時の文学に大きな影響を与えた。 自然主義文学は、19世紀末にフランスで提唱された文学理論に基づく作品、およびそこから影響を受けた日本の20世紀前半の文学のこと。エミール?ゾラにより定義された学説の下、19世紀末、フランスを中心に起こった文学運動。自然の事実を観察し、「真実」を描くために、あらゆる美化を否定する。チャールズ?ダーウィンの進化論やクロード?ベルナール著『実験医学序説』の影響を受け、実験的展開を持つ小説のなかに、自然とその法則の作用、遺伝と社会環境の因果律の影響下にある人間を描き見出そうとする。 作家ゾラの作品は、日本の自然主義文学へ大きい影響を与えた。島崎藤村の『破戒』や田山花袋の『蒲団』が自然主義文学の支柱を成した。『蒲団』の衝撃は大きく、これによって自然主義とは現実を赤裸々に描くものと解釈され、ゾラの小説に見られた客観性や構成力は失われ、変質してしまった。その流れはもっぱら作家の身の回りや体験を描く私小説に矮小化されていく。代表的なものに、藤村『家』『新生』、花袋『田舎 教師』がある。このほか、正宗白鳥、近松秋江、岩野泡鳴、真山青果、小栗風葉らが活躍した。